FXなどの投資で追証をしなくてはならないとき自己破産で対処することはできるのか?
信用取引や先物取引、FX取引では自分が預けている金額以上の取引が可能です。いわゆる「レバレッジ取引」ですね。
そうなると自分の支払い能力以上の金額でやりとりができるようになるため、儲けをたくさん得られるチャンスもある一方で、一気にを損失を出してしまうことがあります。含み損が発生し、証拠金が決められた比率を下回ったときに発生するのが追証(おいしょう)ですね。
もしも追証を支払うことができなければ、強制決済(反対売買)される形になります。もしもこれまでに積み上げてきたプランを崩したくないなら、追証を支払わなくてはなりません。
そこで「借金をしてでも追証を支払い、現状が回復するまで待ちたい!」という方もいらっしゃると思います。しかしキャッシングやカードローンなどで追証のための借金をすることは非常に危険だと思います。
泥沼化する可能性が高い
追証のために借金をすることは推奨できないのですが、これにはいくつか理由があります。
まずひとつが絶対に返済できると限らないことです。借金をする以上利息も発生するわけで、返済しなくてはならない額はドンドン膨れ上がってしまいます。これは確実なこと。しかし一方で、追証をしたからといって事態が好転するとは限りませんし、回復したとしても返済できるほど利益が出なければダメです。
すぐに返済ができる状況、例えばもうすぐボーナスが入る、給料が入る…といった状況ならまだしも、基本的には借金を避けるべきだと言えるでしょう。
投資による借金は自己破産が認められない
「借金を抱え込んだら自己破産すれば良いのでは?」と考えている人も多いようですが、株や先物取引など投資によって生じた借金は自己破産不可となっています。もしもこれを認めてしまうと「借金をしてイチかバチかの投資をして、ダメなら自己破産すれば良い」という人が必ず出てくるからです。
自己破産はできなくても裁量免責の可能性はある
裁量免責とは裁判所の裁量で免責を判断するというもの。「自己破産はダメだけれど、ある程度借金を減らすことは認めてあげても良いんじゃない?」といった具合ですね。
ただし自己破産とは違って必ずしも認められるわけではありません。これに頼ってイチかバチかの借金をするのは絶対に避けるべきでしょう。
終わりに
もしも追証が必要な場面で、借金分のお金を短い期間内に手に入れられる保証(給料やボーナスなど)があるのなら試してみても良いと思いますが、そうでないのなら手を出すべきではないでしょう。残念ではありますが強制決済を受けるのが正しいと思います。
そもそもレバレッジ投資は他の投資方法と比べてよりシビアな管理能力が必要です。投資効率を高めるのに有効な手段ではありますが、マイナスに働いてしまったときに大きな損失に繋がることを忘れてはいけません。